コラムリフォームの豆知識
一人暮らしのスタート、就職による引越し、購入…とマンションを選ぶ場面は様々です。そのとき最も気になるポイントの1つに間取りがあります。
暮らしやすさを求めるのはもちろん、「趣味の部屋も欲しいし…」と間取りに対するニーズはどんどん膨らんでいきます。
- ・マンションの代表的な間取り
- ・人の5つのライフステージ
- ・あなたに合った間取りを選ぶ4つのコツ
を紹介していきます。
代表的な間取りを知った上で、ライフステージの観点から長期にわたってあなたに合う間取りを選ぶコツを確認していきましょう。
マンションの代表的な4つの間取り
はじめにマンションの代表的な4つの間取りを紹介します。賃貸物件も売却物件も、2名以上で暮らすことを目的とした多くのマンションは次の4つの間取りに該当します。
- ・LDKタイプ
- ・DKタイプ
- ・フラットタイプ
- ・メゾネットタイプ
「LDKタイプ」と「DKタイプ」はダイニングキッチンにリビングルームの機能を持たせるか否かの違いであり、「フラットタイプ」と「メゾネットタイプ」はすべての部屋が1つの階にあるか、複数階にまたがるかの問題です。
以下では4つの間取りについて具体的に確認していきましょう。
LDKタイプ
はじめに紹介するのは「LDKタイプ」です。ご存じとは思いますが、LDKはリビング・タイニング・キッチンの略ですね。「●LDK」の「●」のところがLDKとは別にある部屋数です。
「LDK」は、ここ20年ほどで人気になった部屋タイプです。従来のDKにリビングの機能を付加することで、料理中の時間も家族団らんに加えました。
昨今は核家族が増えたので、料理をする部屋とリビングを切り離すニーズが少なくなったのかもしれません。
以下は3LDKの間取りの例です。
対面式キッチンなので料理中もリビングルームの家族と会話しやすくなります。LDKで団らんし、残りの2部屋を寝室・仕事部屋などにすることとなるでしょう。LDKは現代型の核家族にぴったりです。
DKタイプ
続いて「DKタイプ」について紹介します。DKはもちろんダイニング・キッチンです。「DKタイプ」は日本で昔から利用されていた間取りとなります。
「DKタイプ」は古い間取りのようにも思われますが、狭い面積により多くの部屋数を設けることができるためプライベートの時間を大切にする家族に人気です。
部屋数が多いため幅広い生活スタイルに合致します。自分の趣味の空間が欲しい場合、DKタイプは良い選択になるでしょう。
フラットタイプ
「フラットタイプ」は1つの階に全ての部屋があるタイプです。現在みることのできる多くのマンションはフラットタイプになるでしょう。
先ほど画像で紹介した2LDKと3LDKはどちらもフラットタイプになりますね。居住空間に階段がないため各部屋の行き来がスムーズなところに特徴があります。
メゾネットタイプ
最後に紹介するのが「メゾネットタイプ」になります。こちらは部屋が複数の階に分かれて配置されたものです。
まずは参考画像をご覧ください。
こちらの間取りは、2LDKのメゾネットタイプです。さらに玄関も別途違う階にあり、3階にまたがるかたちで居住空間が配置されていますね。
階段があるため部屋から部屋への移動はスムーズではありませんが、その分、空間を仕切る効果が強くなります。
寝室とリビングを別の階にすると、リビングでの生活音をそれほど気にすることなく睡眠をとることが可能になります。
メゾネットタイプは生活の時間帯が異なる家族におすすめです。
5つのライフステージに合わせた間取りを知る!
マンションの代表的な4つの間取りをイメージしていただいたところで、続いては多くの人が通ることになる5つのライフステージについて解説します。
マンションの間取りとライフステージには大きな関連性があるので、将来にわたって住み心地の良い間取りを選ぶ基準にしてください。
子供を持つ前提の場合、多くの人には以下のような5つのライフステージがあります。
- 1.新しく就職して一人暮らしを始める
- 2.結婚
- 3.子育てを始める
- 4.子供の成長(思春期にさしかかる)
- 5.子供が独立し夫婦2人に戻る
間取りを選ぶ際はこうしたライフステージを意識することが重要です。それでは、それぞれのライフステージに適した間取りを確認していきましょう。
新しく就職して一人暮らしをする間取り
さて、あなたは学生を終えて新しく就職することになります。多くの場合、このときに初めて自分でマンションと間取りを選ぶことになるでしょう。
このステージでは、以下の間取りが選択肢になることが多いです。
- ・1R
- ・1K
- ・1LDK
- ・2DK
「1LDK」と「2DK」は少し贅沢かもしれませんが、寝室を別に作れるところが魅力です。学生生活の延長で間取りを選ぶことになりますが、余裕があれば広めの間取りも良いでしょう。
先を考えると結婚を機に引っ越すケースが多いので、あなたの好みの間取りを選べます。
新婚夫婦に適した間取り
社会人として一人暮らしを満喫したあなたは結婚を考え始めます。そしてこのタイミングで結婚予定の人と一緒に暮らすマンションを探し始めるでしょう。
このときに選択肢に入るのは以下の間取りが多いです。
- ・1LDK
- ・2LDK
- ・2DK
- ・3DK
共働きの場合は家賃に使える金額も増えるので選択肢が広がります。
子育てを始める間取り
3つ目のライフステージは「子育て開始」です。先ほどの新婚時の住宅をそのまま使うケースも多いのですが、1LDKだと部屋数が足りないと感じるかもしれません。
このステージでは、2DK~3LDKを選択肢としていきましょう。
思春期の子供と暮らす間取り
続いて子供が成長して思春期に入ると、子供の部屋が必要になります。また子供の成長と共に一戸建てやマンションを購入するケースもあるでしょう。
この時期が最も部屋数と広さが必要になります。
- ・3DK
- ・4DK
- ・3LDK
- ・4LDK
子供の人数によっても必要な間取りは異なるので、あなたの家族が暮らしやすいものを検討してください。
子供が独立した後の間取り
子育ても終わり、ついにお子さんが独立します。そして、夫婦2人での久しぶりの生活を始めるのが5つ目のステージですね。
持ち家の場合はこのタイミングで引っ越すことは少ないですが、賃貸の場合は子育て終了を機に住まいを小さくすることもあります。
また定年を見据えて趣味の部屋を作りたいというニーズや、家庭を持った子供が家族で帰省することを考えたマンションリフォームの需要も少なくありません。こうした側面から自由なプランで間取りを考えていきましょう。
あなたに合った間取りを選ぶ4つのコツ
ここまでの内容で代表的な間取りとライフステージがイメージできたと思います。ここからは、あなたに合った間取りを選ぶ5つのコツを解説します。
あなたの求める生活を具体的にイメージしていきましょう。
具体的な暮らしをイメージする
マンションの間取りを選ぶ際は「具体的な暮らしのイメージ」が非常に重要です。いかに具体的なイメージを持つことができるかで、いざ引越してからの「違う物件にすればよかった…」を回避できるのです!
以下は具体的な暮らしをイメージするポイントです。
- 夫婦それぞれの個室が必要か否か
- 夫婦は共にリビングで過ごすことが多いか否か
- 自宅で仕事をする必要があるか
- 収納はどの程度の量、何部屋に必要か
- 家族が集まる部屋(リビング)をどこに配置すべきか
- 生活動線・家事動線
- 家族で食事する場所をどこにするか
- 廊下は必要か否か
上記のポイントについて家族で相談し、あなたの暮らしを豊かにする間取りをイメージしてください。
リビングの広さと部屋数・各部屋の広さを確認
先ほどイメージした具体的な暮らしをもとに間取りを検討していきます。
ここでは次の3つのポイントから具体的な間取りを選択していきましょう。
- ・リビングの広さをどのくらいにするか
- ・部屋数をいくつにするか
- ・各部屋の広さ
水回りのポイントは後述するので、まずは基本となる上記3つから間取りを考えていきます。
広いリビングは開放感があり憧れますが、実際に20帖のLDKが必要かはよく相談してください。LDKが広すぎて使わないスペースがあったり、それぞれの個室で過ごすことが多かったりする場合は、LDKを12帖ほどにおさえて1部屋増やした方が使い勝手は良いですよね。
リビングの広さを決めたら、続いては部屋数と各部屋の広さを決めていきましょう。資金に余裕があれば1部屋多めにあると使い勝手が増しますが、掃除の負担もあるので慎重に決めてください。
水回りの使い勝手に注意
3つ目のコツは、水回りの選び方です。部屋選びではリビングや部屋数に目が向きますが、実は水回りは非常に重要です。
というのもキッチン・お風呂・洗面台・トイレは1日のうち複数人が何度も利用するためです。家族が多ければその広さや使い勝手が日々のストレスに直結するといって過言ではありません。
水回りの間取りで特に注意してほしいのは以下のポイントです。
- ・キッチンの広さやコンロの数
- ・浴室の広さ
- ・洗面スペースの有無と位置
- ・トイレの数と機能
- ・キッチン、浴室、洗面、トイレの配置
水回りの間取りで使い勝手が悪いと感じるのは、スペースや数に余裕が無かったり動線が不便だったりという例があります。毎日使う場所、生活になくてはならない設備だからこそ、そこに不便があると大きなストレスになってしまうのです。
収納は余裕をもって
水回りと同じように選択ミスをすると大きなストレスになるのが収納です。収納については、はじめから余裕を持つのがおすすめです。
後からタンスやクローゼットを買い足すこともできますが、部屋が狭くなり、大型家具を置くことで使い勝手にも影響がでます。
備え付けの収納を効率的に使うためには、「突っ張り棚の活用」「ベッド下に収納スペースを設置」も視野に入れていきましょう。
まとめ
今回の記事では、マンション間取りについて代表的なものや選び方のコツを紹介しました。
間取りは生活に大きな影響を与えるので、ぜひともあなたの毎日を便利で豊かにするものを選んでみてください。
- LDKタイプとDKタイプ、フラットタイプとメゾネットタイプの特徴をおさえよう
- 5つのライフステージに合わせ、次の暮らしも想定しながら間取りを決める
- リビングの広さ、部屋数、各部屋の広さを確認
- 水回りと収納は使い勝手を優先する
間取り選びでは、あなたが求める暮らしを具体的にイメージすることが重要です。家族とよく話し合って後悔のない選択をしてください。